ダイヤモンドが高額になった話②

ダイヤモンドリング・結婚指輪のイラスト

 

次々と鉱脈が発見され、デビアス社のダイヤモンドシェアは4割まだ落ち込み、ダイヤモンドの価値も下がると思われたところで救世主が現れます。

 

それが、デビアス社の筆頭株主になる「アーネスト・オッペンハイマー」です。

 

彼は、世界最大の金生産業者と言われる大企業アングロアメリカン社の創業者でしたが、デビアス社の筆頭株主になることにより会長職を務めます。

 

それ以降、デビアス社トップの会長職は現在に至るまで一族によって承継されています。

 

参考までに、金鉱採掘会社アングロ・アメリカンはオッペンハイマー家の長であったアーネスト氏が創立しました。「アングロ・アメリカン」は、デビアス株のうちオッペンハイマー家所有分の買収することで合意し、85%を保有しています。

それでは、話しを戻します。

オッペンハイマーは、ダイヤモンドの価値を下げないため以下の施策を考えます。

 

  1. ダイヤモンドの生産組合を作り生産量の調整
  2. ダイヤモンドの買い占め
  3. 流通管理

の3点です。

 

簡単に言いますと、生産から流通、販売まで独占して行い、他社からの参入防止とともにダイヤモンドの価値を下げないようにしたのです。

 

まず、「ダイヤモンドの生産組合を作り生産量の調整」は、ダイヤモンドの鉱脈は多く発見されたが大量に採掘しなければ価値は下がらないことを目的としています。

 

また、「ダイヤモンドの買い占め」は今でいう転売ヤーと同じく、安く買い占め高く売るグレーなやり方です。

 

最後に、ダイヤモンドの流通を管理することにより市場に出回る流通量を管理しダイヤモンドの関わる市場を独占します。

もはやマーケティングではなく経営戦略ですが、生産→流通→販売のすべてをデビアス社が担うことになります。

こうして、生産量・流通量を自由自在に操れることになったデビアス社は当然ダイヤモンドの価格すらも自由自在です。
逆に言うと、生産量を絞り価値を高めなければダイヤモンドとはいえ価格が下がってしまうということです。

実際、1980年ごろにデビアス社による支配に反発したイスラエルが過剰生産した際にダイヤ相場は暴落しています。

最近のウクライナ事情でもそうですが、ウクライナで採れる食品やロシアのガスが流通しなくなれば、市場に出回らなくなり物の価値が上がりことになります。

 

現在でもダイヤモンドの価値は下がらず日本でも高額で取引されていますが、その背景には上記のように経営戦略をしている会社があるのです。